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曼珠沙華

 


とても好きな花、曼珠沙華。

一糸まとわぬ茎に
赤い触覚を揺らし
恥じらうことなく、風に揺れてる。

花が咲くと落ちる葉のせいで
花が咲くまでそれが曼珠沙華だと気づかない。

それも素敵な曼珠沙華。

阿片の近くによく咲くともいわれ
寺社に多く見られたとか。
誰の目に触れない場所には、毒を孕み。

彼岸花、というより、私はやっぱり
その名前を、曼珠沙華となぞりたい。

まだ歳が10にもならない頃から
通学路の川の崖に咲いてたこの花が、特別に大好きだった。

それは罪のように感じて出来なかったけど
この花を手折って
歌をうたいながらその崖を歩いてみたいと、幼心にずっと願っていた。

曼珠沙華に頬を寄せて、そのまま川におちてみたいと
よく夢想していた。

夢想しながらくちのなかで呟く「曼珠沙華」という名前は
隠しておきたいくらい、かがやいていた。

今、叶うのなら。

一糸纏わぬ茎に埋もれ
空へ突き刺す赤い触覚を眺め

永遠に広がる曼珠沙華のなか
そっと齧った根で
目醒めない夢に消えてみたい。

秋の夢想は、夏よりいつより
現実味を帯びている。
冷静さをどこにも隠せずに。



いつか。
一面の曼珠沙華の海をみてみたい。
















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